澪ちゃん恋をする

先輩にバレちゃった 【澪side】



ピーンポーン


家のチャイムが鳴った。



「おばさん、あたし出るね!」



そう言ってあたしは玄関のドアを開けた。

その時、



「えっ!澪ちゃん?」



いきなりそう言われてあたしは固まった。

だ、だって目の前に圭先輩がいる。



「えっ!先輩!?」



な、ななななんで先輩がうちに!?

そう思ってふと先輩の横を見た。



「れ、玲次!?」



先輩に担がれるように玲次がいた。



「よ、よう」



玲次は少し顔を上げて言った。

その額にはすごい汗。



「ちょうど部活帰りにコイツが倒れてたからつれてきた」



先輩がそう言ったのを聞いて、やっぱり玲次無理してたんだなと思った。



「ちょ、ちょっと待って!おばさーーーん!!!」



あたしがキッチンの方に向かって呼ぶと、パタパタとスリッパの音を立てながらおばさんがやってきた。




「どうしたのって玲次!?」



「帰りに倒れたみたい」



そう言いながらあたしは玲次に近づいた。

とても辛そうな息遣いが聞こえた。



「ごめんね、もしよかったらこのまま部屋まで一緒に運んでもらえると助かるんだけど…」



おばさんが圭先輩に頼むと、先輩は『もちろんです』と言って玲次の部屋まで運んでくれた。

< 332 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop