澪ちゃん恋をする
「おじゃましました」
俺は澪ちゃんと須藤の母親に見送られながら帰ろうとした。
すると須藤の母親は澪ちゃんに聞こえないくらいの声で言った。
「澪ちゃんのこと…よろしくね」
そう言われて須藤の母親を見ると、少し悲しそうな顔で笑っていた。
その笑顔が、俺の中でひっかかった。
どうして、そんな顔をするんだろう。
「またいつでも来てね」
「圭先輩、また明日!」
俺は会釈をして須藤の家を出た。
帰り道は考えることだらけだった。
今のは須藤の母親。
じゃあ澪ちゃんの母親は?
それか、須藤の母親と澪ちゃんの父親が再婚したとか?
それなら一緒に住んでることに納得がいく。
でも…そんな感じじゃない気がする。
もっと、違うような…。
結局なんの答えも出ないまま自分の家に着いたのだった。