澪ちゃん恋をする
「…澪、ごめん。高岡にバレたよな…」
俺は起き上がろうとして澪に制された。
「寝てなきゃダメだよ。あたしが内緒にしてたのも悪いし、大丈夫。」
そう言って俺に布団をかけた。
「…高岡、怒ってたか?」
俺はそれが心配だった。
「ううん、怒ってないよ。玲次がうらやましいって言ってたけど」
笑いながらそう言った澪にホッとした。
あいつ、澪を泣かせてないみたい。
「ははっ、そりゃよかった」
でも、俺だったら好きなヤツと一緒に住んでる男がいるなんて知ったら殴りに行っちまいそうだ。
そう思うと高岡は大人だな。
1年しか変わらないのに。
ちょっと悔しい。
「ポカリ、冷たいの持ってきたけど飲む?」
「うん、飲む」
そう言うと澪はポカリのキャップを開けて俺に渡した。
「さんきゅ」
ゴクゴクとポカリを飲む。
だいぶ喉が渇いていたみたいだ。
「ヒエピタも変えようね」
「ん」
澪はそう言って俺の温くなったヒエピタを剥がして、キンキンに冷えたヒエピタのシールをめくってなにやら念じ始めた。