澪ちゃん恋をする
「ヒエピタの神様、玲次の熱が早くさがりますよーに……えいっ!」
そして俺のおでこにヒエピタを貼った。
冷たくて気持ちがいい。
「ヒエピタの神様ってなんじゃそりゃ」
俺がそうつっこむと、澪はははっと笑った。
「澪様のおまじない!効くよ~」
「そりゃ明日が楽しみだ」
そう言うと澪はニコッと笑った。
澪が立ち上がったとき、俺は言った。
「…ありがと…な」
澪にお礼なんて、こんなときじゃなきゃ言えない。
ホントはいつも言いたいんだけど、俺も素直じゃねぇからな。
「おっ!お熱の玲次は素直で可愛いねぇ~」
澪がニヤニヤと笑って俺の頭を撫でた。
その仕草がなんだかくすぐったい。
「うっせぇ。風邪移るから早く出てけ」
恥ずかしくて、本当はもっと一緒にいてほしかったけれど、出て行くように急かした。
「はいはい、おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
ホントに俺は素直じゃねぇな。
そう思いながら俺はまた眠りについた。