澪ちゃん恋をする
11章 澪ちゃんの行方
夢の中 【澪side】
あぁ、またこの夢。
こんな夢見たくない。
やだなぁ。
怖い、怖いよぉ。
『あんたなんか…』
ほら、聞こえてきた。
『あんたなんか…』
いや、言わないで…
その続きは…
『あんたなんかいなきゃよかった!!!』
「お母さんっっ!!!!」
「澪っ!!!」
「はぁはぁ…」
あたしが叫んだと同時に玲次の声がした。
横を見ると玲次があたしの手を握って心配そうに見つめていた。
「…れい…じ?」
「大丈夫か?」
玲次はそう言ってあたしの額の汗をタオルで拭いた。
「…ありがと…。大丈夫」
昔はよく見た夢。
中学になったくらいにはあまり見なくなった。
でも最近、また見るようになってきた。
あたしの…。
あの事件の…。
…夢。