澪ちゃん恋をする
八つ当たり 【葉月side】
澪が嫌がらせを受けているらしい。
あたしの澪に、そんなことするのはどこのどいつだ!!
「ちょっと玲次」
放課後、部活に行く前に玲次を呼んだ。
澪は日直で職員室に行っているからちょうどいい。
「な、なんだよ」
玲次は怯えたようにあたしを見た。
「あんた、澪が嫌がらせ受けてるの知ってる?」
すると、玲次はあたしの目を見て『うすうす知ってた』と言った。
やっぱりね、あんたは知ってると思ってた。
「そのままにする気なの?」
あたしはイライラを玲次にぶつけた。
完璧あたしの八つ当たりだ。
澪が嫌がらせを受けててもなんにもしてあげられないあたしの。
「俺も今調べてる最中だ」
玲次はそう言って自分のカバンを持った。
「大丈夫。澪のことは俺が守るから…」
そう言って教室から出て行った。
あたしはそれを聞いて安心した。
玲次に任せておけば、大丈夫だって。