澪ちゃん恋をする

助けて… 【澪side】



嫌がらせが始まって少し経った頃。


「ちょっとトイレ行ってくるね」



葉月にそう言ってあたしは、3時間目の授業前に一人でトイレに行った。

ふ~スッキリした。

そう思ってトイレから出ようとした。

しかし。



ガチャガチャ



「あれ?開かない」



そう思った瞬間、突然上から水が降ってきた。



バシャッ



「キャッ!!」



思わずしゃがんだけれど、制服はびしょびしょになってしまった。

その時、トイレの外から声がした。



「…あんた、消えて」



「だ、だれ?」



低くて怒っているような女の人の声。

消えて…



「あんたなんか、消えればいいのに」



その瞬間あたしの頭の中は真っ白になった。

そして指が、体が、ガタガタと震えだした。



「消え…消えて…はぁはぁ」



く、苦し、苦しいよぉ。

助けて……玲次…

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