澪ちゃん恋をする
トイレに来てはみたけれど…
よくよく考えればここは女子トイレだ。
やっぱり葉月をつれて来れば良かったと思ったが、俺はそっと女子トイレを覗いた。
「…澪?」
チャポンと水道から水が落ちる音がする。
すると、トイレの個室が一つだけ、中から開かないようにモップの柄でドアを押さえられていた。
「澪っっ!!!」
俺はすぐにモップをどかしてトイレのドアを開けた。
そして、ずぶ濡れになった澪を見つけた。
「み、澪っ!!!!」
「はぁ、れい…じ…はぁはぁ」
澪はあの時のように過呼吸気味になっていた。
「大丈夫か!?どうしたんだよ!!?」
「わ、わかんない…はぁはぁ。急に上から水が…」
そう言われて嫌がらせのことを思い出した。
今、いろいろと調べているが、一人、怪しいヤツがいるんだ。
もしかして…あいつが…
「とにかく、早く保健室に…」
そう言って澪を立たせようとしたとき、澪が俺のワイシャツの裾をギュッと握った。