澪ちゃん恋をする
「消えればって…」
「え?」
澪が下を向きながら今にも消えてしまいそうな声で言う。
「あんたなんか…消えればいいって…聞こえた」
「澪…」
俺は澪の傍にしゃがんだ。
「あたし、また…なんかしたのかな?」
「…」
「知らないうちに…誰か傷つけたのかな…」
「…」
そっと澪の細い肩に触れた。
「あたし…やっぱりあのとき死…」
「バカッッ!!!」
澪の体がビクッと震えた。
そしてゆっくりと俺を見た。
「何回言えばいいんだよ。おまえがいなかったら困るっていつも言ってんだろ?」
俺はそう言いながら自分の着ているワイシャツを脱いで、濡れてシャツが透けてしまっていた澪の肩にかけた。
そして、そっと抱きしめた。
「俺にはお前が必要なんだよ…」
そう言うと澪は自分の手を俺の背中に回した。
「…うん」