澪ちゃん恋をする


「佐伯澪です。よろしくね」



名前なんてさっき聞いたし。



「須藤玲次」



俺はあまり女の子と話すのは好きじゃないんだ。

ちょっとでも女の子と話したりすると他の友達に茶化されるから。

そう思ってそっけなく自分の名前だけ言った。

するとその女の子は、ぱあっと花が咲いたような笑顔を見せた。



「玲次君ね!カッコイイ名前だね!」



その笑顔を見たら俺の心臓がドキッと言った。

俺は…初めて恋をしたんだ。

まぁ、その時はこれが恋だってわかっていなかったけれど。



それから俺と澪は隣の席だからよく話した。

話によると澪はお母さんと2人で暮らしているらしい。

お父さんは昔からいないって言っていた。

澪のお母さんは夜に働いているらしくてあまり家にいないらしい。

『キャバじょう』って言うらしいけど、1年の俺にはまったくわからなかった。

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