澪ちゃん恋をする
来ない 【玲次side】
今日は待ちに待った俺様の誕生日だ。
母さんが俺の好きなハンバーグをいっぱい作ってくれた。
ついでに澪の好きなオムライスも!
「澪、まだ来ないのかよ~」
俺はリビングのソファに寝そべって澪を待っていた。
「忘れてるんじゃないの~?」
台所の方から母さんの声がした。
「いや、昨日あれだけ言ったんだ!忘れるわけないよ」
昨日俺は澪に朝から放課後までずっと誕生日のことを話していた。
最後には『うるさい』と言われてしまった。
それくらい言っていたから忘れるはずはない。
そう言うと母さんが台所からひょっこり顔を出した。
「そんなに心配なら途中まで迎えに行ってあげなさい」
母さんにそう言われて俺は勢いよく立ち上がった。
「そうだな!オレちょっと行ってくる!!」
「気をつけて行くのよ」
「はーい!」
母さんはクスクスと笑いながら台所に戻っていった。