澪ちゃん恋をする
あんたなんか… 【玲次side】
結局澪のアパートの前まで来ちまった。
俺はここまでは何回も来たことあるけど、階段から上は登ったことがなかった。
お母さんが寝てるからと澪は言っていた。
ちょっと緊張しながらミシミシと鳴る階段を登った。
このアパート、地震が来たら絶対崩れるな。
そんなことを考えていたらあっという間に2階に到着した。
えっと~たしか澪の家は203号室…。
そう思って203号室の前まで来た。
ドアに耳をつけると誰かがしゃべっている声が聞こえる。
もしかして澪の母さんが起きてるのかな?
「こんにちはー!!」
チャイムのボタンに手が届かなかった俺は大きな声で挨拶をした。
でもドアは開かない。
「澪いますかー!!」
何度呼びかけても開く気配がない。
おっかしいなぁ~確かに中から誰かの声が聞こえるのに。
そう思ってドアノブに手をかけた瞬間、中から何かが割れる大きな音がした。
俺は急いでドアを開けた。
幸い鍵はかかっていなかった。