澪ちゃん恋をする
「あんたなんかいなきゃよかったっっ!!!!!」
叫ぶような女の人の声が聞こえた。
俺は急いでその声のする方へ走った。
そして、俺は見た。
台所で澪の母親らしき人が、割れたビンの破片を持って振りかざし、今にも澪に向かって振り下ろそうとしているところを。
「澪っっ!!!!」
俺は無我夢中で澪の上に覆いかぶさった。
その瞬間、俺の腕にビンの破片が刺さった。
生ぬるいものが俺の腕に流れ始めた。
でも俺は澪を守るのに必死だった。
そして、ギロっと澪の母親を睨みつけた。
「あぁ、わたし…私なんてことを…」
そう言いながらふらふらと後ろに倒れた。
初めて見る澪の母親。
髪は長い金色の髪をしていた。
どことなく澪に似ていたけど、とてもやつれていた。
「澪っ!大丈夫か!?」
俺はそう言って澪の体を揺さぶった。
そして澪はハッとしたように俺を見た。
「れい…じ…?」
そう言った瞬間、俺の後ろで澪の母親が呟いた。