澪ちゃん恋をする
「でもおばさ~ん…」
「なんだなんだ?朝から喧嘩か?」
スリッパをペタペタと鳴らしながら台所に入ってきた。
玲次の父、登場である。
おじさんは優しい。
てか甘すぎる。
おじさんに怒られた覚えはないってほど怒らない。
「ドーナツくらいお父さんがいくらでも買ってやるぞ~」
「あなた!甘やかせないの!!」
そのせいでいつもおばさんの怒りのターゲットはおじさんに向いてしまう。
そしてそこからおばさんのヘビのように長い、スネーク説教が始まるのだ。
「ほら、澪のせいで父さん怒られてんじゃねーか」
玲次が『父さんかわいそ~』みたいな目線をあたしに送ってくる。