澪ちゃん恋をする
「痛っ!」
穴が開いたんじゃないかってほど痛かった。
ギロリと春斗を睨むと春斗は俺を見て笑っていた。
「圭、お前もいいやつ過ぎるよ…」
そんなことない。
だって本当は今でも俺は澪ちゃんを離したくないと思ってるんだ。
「そんなことないよ」
そう言った瞬間、春斗はサッカー部の方を見ながら言った。
「俺は…お前と友達で本当に良かったと思うよ…」
春斗がそんなことを言ったのは初めてだった。
俺は驚いて春斗を見た。
その横顔はなんとなく照れているように見えた。
「…ありがと」
俺も照れたように笑った。
「しょうがない、俺がなんでも好きなものおごってやるよ」
「じゃあ…ブリリアンのジャンボパフェにする」
そう言って空を見上げた。
澪ちゃん、ちゃんと気持ち伝えられるかな?
あの2人のことだから途中で話が脱線して喧嘩とかになったりして。
そう思って心の中で笑った。