澪ちゃん恋をする


「あぁ?」



俺はやっと落ち着いて澪を見た。

すると澪の瞳が少し揺らいだ。



「先輩が…先輩が玲次のとこ行って来いって…」



「え?」



澪は俺の頬から手を離した。



「あたしがホントに好きなのは、玲次じゃないかって…」



「…」



「…背中押してくれたのは、先輩だった」



澪は俯いて言った。



「…アイツ」



高岡…。

最初は澪の彼氏だから嫌いだった。

澪と高岡が話しているとムカついた。

だけど、いいヤツだった。

ちゃんと澪を大事にしてくれたし、俺が倒れた時だって助けてくれた。

俺は結構あいつを認めてたんだ。

でも…相当なお人よしだよな…。

そう思って少し笑えた。

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