澪ちゃん恋をする
「葉月ちゃんから電話あったのよ~」
おばさんが口に手を当ててニヤニヤしながらあたしと玲次を見てきた。
「今日2人がカッポーになって帰ってくるって」
おじさんまでニヤニヤしながら玲次のわき腹を肘でつつく。
てかなんでこんな時間におじさんが家にいるの?
仕事じゃないの?
「てか、父さん今日仕事だろ!?」
あたしが考えていたことを代弁するように玲次が言った。
「母さんにな、今日お前たちの付き合った記念日パーティーをやるから早く帰ってこいって言われてな。だから早退してきた」
ケロッとおじさんが言った。
「ちょっ、バカじゃねぇの!?そのためだけに早退するなんて!!仕事しろ!仕事!!」
「コラ!玲次!お父さんに向かってバカとはなによ!!」
おばさんと玲次の親子喧嘩が始まりそうになったとき、あたしはふと思った。
「あれ?おじさんとおばさんは玲次の気持ち、知ってたの?」
あたしがそう聞くと2人はあたしを見て柔く微笑んだ。
「えぇ、知ってたわよ」
「あぁ、知ってた」
そう言って玲次を見た。