澪ちゃん恋をする


「ないに決まってんじゃん!!てかいつも同じくらいの成績の玲次だって立花高なんて絶対ムリだよ!!」



玲次とあたしはいつも同じくらいの成績だ。

玲次は理数系が得意で文系が苦手。

あたしは逆に文系が得意で理数系が苦手だ。

だからいつも教えあっているが、それでもいつも中の上くらいだ。



「いや、俺は絶対立花に入る」



いきなりそんなことを言い出した玲次を不思議に思う。

先生になんか言われたんだろうか。



「な、なんでいきなり立花なんか…」



受けようと思ったの?と聞く前に玲次が口を開いた。



「…立花に入れば母さんたちも喜ぶだろ?しかも上位に入れば授業料免除だ」



「…!!」



そう言った玲次を見て、あたしは言葉が出なかった。



「ちょっとした親孝行だ」



「…」



すこし照れたように頬を掻きながら言う。

あぁ、なんか今日は玲次がすごく格好良く見えるよ。

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