澪ちゃん恋をする
「澪ちゃん、着替えとか持ってきたよ」
私はそう言って澪ちゃんの着替えなどを戸棚にしまった。
「学校が終わったら玲次も来るからね」
そう言って澪ちゃんを見た。
澪ちゃんはここ数日話していない。
いや、話せないのだ。
病院の先生によると、自分の目の前で母親が死んだのを見た精神的なショックが原因らしい。
いつ、話せるようになるのかもわからないし、もしかしたら一生話せないかもとまで言われた。
ご飯も全然食べれなくて、点滴だけで命を繋いでいる。
元から小さかった澪ちゃんの体がさらに小さくなった。
私はそんな澪ちゃんを見ていられなかった。
どうしたら、この子は幸せになれるんだろう。
いつもそう思っていた。