澪ちゃん恋をする
「お願いだ!お願いだよ!父さん、母さん…」
玲次は私たちを交互に見て言った。
そして崩れ落ちるように膝を突いた。
「玲次…そんなに澪ちゃんのことが大事なの?」
私がそう聞くと玲次はゆっくりと顔を上げた。
玲次の目からポロリと涙が落ちた。
滅多に泣かない玲次が私達の前で泣いたのだ。
「俺の…俺の大事な人なんだ。一生守るって約束したんだ…」
玲次のその言葉を聞いて私たちは澪ちゃんを引き取ることにした。
そして、澪ちゃんを養子じゃなくて、他人の子として引き取りたかった。
警察の人に養子にしなくて引き取るのは難しいと言われたが、私たちは諦めなかった。
毎日のように警察と施設を往復した。
そして1ヵ月後、やっと澪ちゃんをうちに置くことを承諾してもらった。