澪ちゃん恋をする
ありがとう 【澪side】
初めて聞くことだらけだった。
まさか玲次がそこまでしてあたしをこの家に置いてくれたんだ。
そう思ったらまた泣けてきた。
「でもね、澪ちゃんを養子にしなかったのには訳があるのよ」
おばさんが突然そう言ったのを聞いて、ん?と思った。
確かに、なんで養子にしなかったんだろ?
どうして、、他人の子供っていう難しい引き取り方をしたんだろう?
玲次もその理由は知らないみたいで、不思議そうにおばさんとおじさんの話を聞いてい
た。
「だってそうすれば結婚できるだろ?」
おじさんがサラッとそう言った。
………ん?
「「け、け、け、結婚っっ!!?」」
あたしと玲次の声が揃った。
「だって一生守るってことは結婚ってことでしょ?」
おばさんがクスクスと笑いながら言った。
それを聞いてあたしと玲次の顔は真っ赤になった。
「うふふ、澪ちゃんがお嫁さんならあたしも嬉しいわ。ねっ、お父さん♪」
「あぁ、こんな美人さんに『お父さん』なんて言われたらおじさん照れちゃうよ!」
おじさんとおばさんはのん気にそんな話をしていた。
「あーもう2人とも気が早いっての!!」
そう言って玲次は自分の頭をガシガシと掻いた。
「あははは…」
あたしはもう笑うしかなかった。