澪ちゃん恋をする
高校受験 【澪side】
2013年2月
あたしは今、とても緊張している。
尋常じゃないほどの手汗をかいている。
ちきしょう。周りがみんな敵に見えるぜ!
立花高校の正門をくぐると、さらに緊張してきた。
「澪、もしかして緊張してるのか?」
隣で玲次が心配そうにあたしを見た。
「まままままさか!あたしが緊張しているとでもオモテイルノカ!?」
「思いっきり緊張してるな。最後なんてカタコトになってるぞ?」
はっ!しまった!
玲次に緊張してるなんでバレたら絶対ばかにされるんだろうなぁ。
そう思っていたのに、玲次は下を向きながら言った。
「…実はな、俺もちょっと緊張してる」
「え?」
あたしはビックリした。
珍しい!あの玲次が?
緊張のきの字も知らなそうなのに!?
「…澪と同じ高校、いけなかったどうしようって思って…」
そう言って玲次はちょっと切なげに下を向いた。