澪ちゃん恋をする
「あ~受験のときより緊張するよぉ!!」
「落ち着けって!今グチグチ言ったってもう決まっちゃってるんだからしょうがないだろ?」
「そうだけど~~」
でも緊張するんだもん!
しょうがないじゃん!!
玲次はなんでそんな余裕なわけ!?
その時、
「「「「キャーーーー!!!!」」」」
「「「あ~~~~~ぁ」」」」
という声が聞こえてきた。
き、聞こえてきた。
感激と落胆の入り混じる声が聞こえる。
ヤバいぞ。手が震えてきた。
指先が冷たくなってきた。
そう思っていると不意に右手が温かいものに包まれた。
え?と思って右手を見ると玲次があたしの手をギュッと握っていた。
「大丈夫だ。絶対、大丈夫。」
「…うん」
玲次の手はいつもあったかい。昔から。
玲次に大丈夫って言われると、ホントに大丈夫な気がするから不思議。
「行くぞ!」
「うん!」
あたしたちは合否が書いてある掲示板まで、手を繋いだまま走った。