澪ちゃん恋をする
中学卒業 【玲次side】
2013年3月
寒さがだんだん和らいできた頃、俺たちは城新中学の卒業式を迎えた。
「須藤さん!第二ボタンください!!」
「押さないで!須藤先輩!」
「痛い痛い!須藤くん!ボタンちょうだい~!」
あ~まじ最悪。
中学生活最後の日にこんな目にあうなんて…。
卒業式が終わってみんなは中庭で写真を撮ったり、次ぎに会う約束などをしていた頃、俺は廊下で女子に捕まっていた。
「ちょっ!お、押さないでっ!」
くそっ!
うまく隠れたと思ったのに見つかっちまった!
痛てぇ。このままじゃ俺潰れちまう!
俺はこうなるのを予想して、密かにトイレに隠れていた。
みんなが帰り始めた頃に出て行って帰ろうと思っていたのに、この女たちは男子トイレにまで俺を探しに来たのだ。
そして俺は今、サンドイッチ状態だ。