澪ちゃん恋をする


「いっ痛っ!なにすんの!?」



「いいからもらっておけ!!なくすんじゃねぇぞ!!」



「分かった!分かったからぁ~!!!」



「最初から、そう言えや」



俺は澪に第二ボタンを押し付けた。

澪は優しいやつだから、きっと机の中にでも入れてとっておいてくれるはずだ。

頭の横をさすりながら涙目で俺を睨む。

そんな澪に少しドキッとした。

俺って結構なSだと思う。



「よし!帰るか!今日はオムライスONハンバーグらしいぞ」



お前の好きなオムライスと、俺の好きなハンバーグのドッキングだ。

俺の母さんのオムライスONハンバーグは、作るのが面倒だからって滅多にお目にかかれない料理だ。



「マジでか!それは早く帰んなきゃ!」



澪のテンションがかなり上がった。

うさぎみたいにぴょんぴょんと跳ねている。



「ほら!行くぞ!」



俺は澪に手を差し出した。



「うん!!」



ちっちゃな手が、俺の手に重なる。

いつまで、こうやって澪の手を引くことができるんだろう。

できれば、澪の手を引くのはずっと俺であってほしい。

これからも、この先も、ずっと…。

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