澪ちゃん恋をする
2008年1月
小学2年生のあたしは澪と玲次とは違うクラスだった。
「葉月ちゃんはあの子のことどう思う?」
冬休みも終わってお正月ボケが抜けてきた頃、廊下でクラスの友達と話していると、そんなことを聞かれた。
「あの子?」
「ほら、隣のクラスのあの窓側に座ってる子」
隣のクラスを覗くと、窓側に女の子が座っていた。
その前の席には周りの友達がカッコイイと言っている須藤玲次が座っていた。
そして大げさなジェスチャーをつけて、その女の子に一生懸命話しかけている。
まぁ、たしかに顔はカッコイイけど、あたしのタイプではないな。
そう思って、視線を友達に戻した。
「1年生のときに転校してきた子でしょ?佐伯澪ちゃんだっけ?」
違うクラスだから話したこともないなぁ。
でも可愛い子だったからなんとなく覚えていた。
「なんかさ、あの子全然笑わないししゃべらないんだって」
「え?」