澪ちゃん恋をする
「ありがとな。澪が笑ったの半年ぶりなんだ」
え?半年?
そんなに?
「どう…して…?」
このときのあたしの質問に対して、須藤玲次は切なそうに笑っただけだった。
それから少し経って玲次に澪のことを聞いた。
玲次が話してくれたのは、小学2年のあたしでも耳を塞ぎたくなるような佐伯澪の過去だった。
それを聞いて、あたしは一生この子の親友でいようと思った。
もっと笑顔を取り戻させてあげようと思った。
玲次と2人でバカばっかして、必死に澪を笑わせた。
徐々に笑顔が戻ってきて、やっとここまで笑えるようになった。
神様、もうこれ以上この子に不幸な思いをさせないであげて。
澪には、誰よりも幸せになってほしい。
澪はあたしの大親友だから。
澪からもらったビーズのブレスレッドは今でもあたしの宝物。