澪ちゃん恋をする


バシンッ



「いてっ!!」



軽く叩いたつもりが、予想外に力が入ってしまった。

普段の積み重ねの恨みがこの一撃に入ってしまったようだ。



「い、痛てぇ…お前、女じゃねぇだろ?」



玲次は目に涙をためて、あたしをギロッと睨んだ。



「はぁ!?」



「女にそんなバカ力はない」



そう言われてあたしは頭に来た。

まぁ、今のは確かに先に手を出したあたしが悪いかもしれないけど、女じゃないって酷くない!?

玲次ってなんでいつもこんなにムカつくことをズバズバ言うんだろう。



「てかこんなんで泣いてて、玲次こそ女の子なんじゃない?」



ちょっと叩かれたくらいで泣くなんて玲次こそ女の子っぽい。



「なんだとっ!!」



「あぁ!?」



またいつものように喧嘩が始まりそうになったとき、タイミングよく1階からおばさんの声がした。

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