澪ちゃん恋をする
あたしの顔に、誰かが蹴ったであろうサッカーボールが飛んできて、見事に直撃したのである。
その衝撃でメガネが飛んで、尻餅をついた。
「いてて…」
は、鼻が痛いっ!!
低い鼻がさらにぺちゃんこになってたらどうしよう。
そう思って鼻を触ったが、変わっていなくてホッとした。
その時、誰かがあたしの方に走って来た。
「だっ大丈夫!!??」
きっとこのサッカーボールを飛ばした犯人だろう。
「大丈夫です」
そう言いながら、犯人の顔を見た。
でもぼやけていて全然見えない。なぜ…?
あっ!メガネがないのか!
そう思って周りをキョロキョロと見た。
「…あれ?君……」
メガネを探していると犯人があたしの顔を見て呟いた。
けれども、あたしはメガネを探すのに必死で、その呟いた言葉は聞いていなかった。