澪ちゃん恋をする
「あ、あの、メガネ落ちてませんか?」
探してもぼやけて全く見えないので犯人に聞いてみた。
「…あ、あぁメガネ?あっ、あったあった!」
メガネは結構飛んで行ったらしい。
どおりで見つからないわけだ。
だいぶ離れた場所からその人が戻ってきた。
「ごめん、メガネ、割れちゃってるんだ」
犯人が申し訳なさそうにあたしに言った。
えっ!?マジか!!
玲次が終わるの待って一緒にメガネ屋さん寄ってもらおうかなと思っていると、犯人が口を開いた。
「弁償させてね」
犯人が謝りながらあたしにそう言った。
「い、いいですよ!あたしもボーッとしてたのが悪いんだし…」
そうだ!あたしもボーっとしながら歩いてたし!
そう言うと犯人はそれを否定した。
「だめだよ。俺が弁償するから。今から時間ある?」
「あ、ありますけど…」
「じゃあメガネ屋さん行こう」
そう言うと、いきなりぐいっと腕を引っ張られて立ち上がらされた。
えっ!と思うのと同時に、腕を引かれて犯人はどんどんと歩き出した。
「ちょっちょっと!!」
「メガネなきゃ困るでしょ?」
そう言いながらあたしをグイグイと引っ張って行き、あっという間にメガネ屋さんに到着した。