澪ちゃん恋をする
「い、いえ…でもコンタクトは病気が怖いって聞きますし、あたし結構ずぼらなんで…」
一応抵抗してみる。
でもメガネがうっとうしいと思うのも確かだ。
「今は1dayってやつがあるのよ!おためしでつけてみる?1週間トライっていうキャン
ペーンがあるのよ」
「そうだよ、つけてみなよ」
なぜか見知らぬ2人に説得させられた。
そして断れ切れずにつけてみることになった。
「下見て~。ハイ、目つぶって……開けてみて」
店員さんにコンタクトを入れてもらい、あたしはゆっくり目を開けた。
「うわっ!!!」
目を開けた瞬間、世界が変わった感じがした。
遠くも近くもはっきり見える。
メガネのように邪魔な障害物もない。
「どう?メガネと全然違うでしょ?」
「は、はい!全然ちがいます!!」
すごいっ!すごいすごいっ!!!
こんなんならもっと早くコンタクトにすればよかった!
あたしは手元を見たり、遠くのポスターを眺めたりした。
「ははっ!嬉しそうだね!」
後ろから犯人が話しかけてきた。
「だって、ホントにすごいんです……よ…」
そう言ってあたしは振り返った。
そして後ろにいた人を見た瞬間、時間が止まった気がした。