澪ちゃん恋をする
「それがさ、名前聞こうと思ったら玲次に邪魔されたの」
澪が悔しそうにそう言った。
やっぱり玲次か。
「でも多分先輩っぽかった。てかめっちゃ爽やかだった!!」
澪が頬を少し赤くしてニコッと笑った。
澪のその笑顔は反則ものだな。
今、あたしの後ろでその笑顔を見てた男子なんか茹ダコみたいに顔が真っ赤になっている。
「じゃあ今度その人探そうよ!食堂とかでも会えそうじゃん!!」
あたしはそう提案した。
てか澪が一目惚れする相手なんてどんな人だろう。
みんながカッコイイって言ってる玲次と毎日顔を合わせてるんだ。
ちっとやそっとじゃ一目惚れなんてしないと思う。
その時、1時間目の理科の先生が日直を呼びに来た。
「今日の日直さ~ん!荷物取りに来て~!!」
「あたし日直だった!ちょっと行ってくるね!」
澪はそう言って走って行った。