夕凪に映える月
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「お前って…本当に根性無しだな!」

「え、ええ?!」

「その勢いで言えば良かったんだよ!先輩が好きだ、って。」

「ばっ、ばかっ!!
そんなこと言えるわけないでしょうがーっ!」



次の日の学食。
私は同じ部活、同い年で、同じクラスの男の子、逢坂虎徹(オウサカ コテツ)くんと話をしていた。


こっちゃん、こと虎徹くんとは中学も同じで三年間同じクラス。そして高校に入ってまでも同じクラスで同じ部活という腐れ縁。


昔から仲が良くて、あっちゃんのことも当然よく知っていて、私の恋の良きアドバイザーでもあるのだ。


「どうでもいいけどお前はヘタレすぎ!見てるだけで満足なんて、綺麗事言ってんじゃねーよ!」


「う、うう…。」



こっちゃんは男の子だからかなぁ?
何かにつけて私に厳しい。


女の子なら“大丈夫!”って慰めてくれることも、こっちゃんは“バーカ!”ってすぐ怒る。


今日もそうだ。
昨日、あっちゃんと二人で帰ったって感づいてたこっちゃんに、ことの経緯を説明したら……お昼ごはんのカレーをすくいながら、彼はプリプリ怒り始めた。


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