夕凪に映える月


「お兄ちゃんを見てるにしては熱っぽすぎる。」


「そ、そんなこと…。」


「ない、って言いきれないだろ??
実際、部活ん時はそういう目で見てるわけで、オマエはアツ先輩に男としての好意を寄せているワケで、、、。その視線に風香センパイが気づかないと本気で思ってるわけ??」



そのこっちゃんに言葉に、言葉が詰まる。



「先輩もオンナだぞ?
そういうの第六感で勘付くに決まってる。
だけどオマエがミナト先輩の妹で、アツ先輩のお気に入りだから言いたくても言えないだけだ。」



――え………。



その言葉に、今度は胸をグサリと抉(エグ)られる。




ガヤガヤとうるさい、お昼休みの学食。それぞれが思い思いに食事を楽しんでいる、この時間。


そんな楽しい時間に


「こんな不健康な恋愛続ける意味なんてあるのか??凪紗はそうしたくてそうしてるんだろうけど、オマエの煮え切らない態度のせいで傷ついてる人だっているんだよ。そこんとこよく考えて行動しろよ。」


こっちゃんは誰よりも厳しくて、誰よりも的を得た一言を私にサラリと放ったのだった。




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