夕凪に映える月
「そりゃ勘違いもするだろうさ。
この状況を毎日毎日見せつけられてたらなー。」
確かに……
この図を毎日毎日目撃されて、部活も一緒、クラスも一緒で仲良く話してたら、そんな風に思われても不思議はないのかもしれない。
今になってみて、あっちゃんが何が言いたかったのかが、よくわかる。
『一緒にいるなら女子といろよ!!
紛らわしいことするんじゃねーよ、バカ!!』
はぁ~~~
「こういうことか……。」
やっとあの言葉の意味が分かった瞬間。
私が机の上に力なく上半身を突っ伏すと
「わかったか?鈍感女よ。俺も新田さんという大事な人がいる身だから、この状況はあんまりよろしくない状況なわけよ。」
「……うぅ!!」
「オマエと俺が付き合うだなんて天と地がひっくり返っても絶っっっ対にありえねぇことだけどな。世間の皆様の印象は違うみたいで、俺はとっても迷惑してる。」
こっちゃんは中華丼をすくいながら、平然とした表情で私に語りかける。