夕凪に映える月
そりゃそうだよね。
私もあっちゃんにこっちゃんのこと誤解されて、すっごく嫌だったもん。
こっちゃんもきっと同じ思いに違いない。
「…ごめんなさい……。」
私はこっちゃんの隣が居心地がよくて、彼のくれるアドバイスに勇気を貰って、当たり前のように隣にいたけど……どう考えたって私とこっちゃんはオトコとオンナ。
いつもどんな時でも一緒にいる私たちを見て、何も知らない人たちは“付き合ってるんじゃないか”そういう目で見るに違いない。
私だって……
同じような人たちを見たら、そう思ってしまうと思うもの。
私は別にいい。
彼の隣が居心地がよくて、この状況に甘えていたんだから。
でも……
こっちゃんは被害者だよね。
こんなことで私との仲を新田さんが誤解したなら申し訳ない。
「悲しいけどさ??
こっちゃんに相談するのはコレで最後にするよ。」
それが一番最善だよね??
そう思って
意を決してそう呟くと
「オマエ、バカだな。……この状況を利用すればいいじゃん。」
「え??」
「だーかーら!
凪紗が俺に惚れてるって勘違いしえ、アツ先輩は焦ったんだろ??それならこの状況を利用して、もっともっとおかしくしてやればいいんだよ。」