夕凪に映える月
あっちゃんを焦らせて、おかしくさせる??どういうこと??
「意味が分からない。」
素直にそう首を捻ると
「要はこのままの状況でいることがオマエにとっては好都合…ってことだよ。」
こっちゃんは、またなぞなぞみたいなことを言う。
「なにそれ。」
「意味わかんねぇの??相変わらず鈍感だな。
要は、オマエが卑怯者にならないって約束してくれんなら、俺はオマエの恋愛に協力してやるってコトだよ。」
んん??
益々意味がわからない。
私が首を捻るとこっちゃんはニヤッと意地悪く笑って、悪魔の顔してこう言った。
「ああいう所有欲の強い人には、見せつけといたほうがいいんだよ。凪紗はアンタだけのナギじゃない……ってな。」
うーーーん。
時々こっちゃんは私にはよくわからない、難しいコトを言う。でもよくわかんないけど、協力してくれるっていうなら、それはそれでいいのかなぁ……。
考え込みながら、お弁当に入っていたブロッコリーを口に入れると
「ま、このままメシも食うし、部活も一緒だし、クラスも一緒って言う状況を楽しもうぜ。それにプラスして何回か2人っきりで帰ったりしてたら、向こうも何か思うだろ。」
「……何かって??」
「だーかーら。
凪紗は俺だけのナギじゃないってコトに気づくだろっつってんの!!相変わらず頭ワリィな!!」
こっちゃんはイラッとしたように私をギロリと睨みつける。
そしてポツリとこう言ったんだ。
「……アツ先輩も凪紗に負けず劣らず鈍感だからなぁ……。」