夕凪に映える月
そんな甘い期待を抱いて
邪ないけない気持ちがムクムクと顔をもたげて、心の中がいっぱいになっていた頃。
『ナギ、久しぶり。
今、試験終わったよ。
急だけどさ??今から海辺の方のボート部の部室に来れるか??』
あっちゃんから、突然のメールが入った。
――え…??
なんで突然…??
意味の分からない、彼からのお呼び出し。
だけど彼の誘いを断る勇気なんてない私が
『うん、わかった。
でも、今の授業終わってからいくから…16時半ころになるけどいい??』
授業中だったにもかかわらず返事を返すと
『わかった。
じゃぁ気長に待ってるから。』
彼からはこんな短いメールが入った。
なんで突然??
意味が分からず呆然としていると
「オイ、どうした??」
隣の席に座っていたこっちゃんが、私にコソコソと話しかける。
先生の目を盗みながら
「あっちゃんが…私に会いたいってメールしてきた。」
ポツリとそう呟くと、こっちゃんは目を真ん丸にして驚いた。
そしてしばらく経ってニンマリとほほ笑むと
「じゃ、ちゃんと告白して来いよ。」
「えぇ!?」
「安心しろ。玉砕したらオマエの骨は拾ってやっから!」
こんな恐ろしい一言を呟いたのだった。