夕凪に映える月
退屈な授業
何の変哲もない、友人たちの会話
そんな時間を何度繰り返しただろう。
私は罪悪感に苛まれながら、あっちゃんからの連絡を待っていた。
早く楽になりたかっただけかもしれない。だけど、彼の声を聞いたらこの罪悪感が少しだけ楽になれるような気がしたんだ。
一人よりも二人の方が
罪悪感は軽くなる。
無意識にそう思っていたんだと思う。
だけど⋯授業が終わっても、部活の時間になっても、あっちゃんからは何の連絡も入ってこなかった。
終わったらすぐに連絡すると言ったのに⋯⋯彼からは何の連絡もない。
——何かあったのかもしれない。
漠然とそう思った。
いいようのない不安に襲われて、部活の最中にこっちゃんに声をかけると
「うーん、でも待つしかねぇんじゃねえの?」
「そうかな。」
「オマエが動いたところで何ができるわけでもないんだし。ここはグッと我慢してアツ先輩からの連絡を待ちな。」
体育館の隅で筋トレをしながら、こっちゃんはきっぱりとそう言った。
確かに、ここで連絡したら私が急かしてるみたいに思えるよね?それにあっちゃんは『連絡する』って約束してくれたんだもん。ここは彼を信じて待つべきなのかもしれない⋯⋯。
頭ではわかってる。
わかってるけど怖くなる。