クソガキ
「お茶いれてくるから二人とも座っといてねー」
おかんはそう言い残し、リビングを出て行った。
「ふぅーーー‥」
私は、ポスッと、倒れ込むようにしてソファーに座った。
‥‥‥やっぱり我が家だわ‥*
懐かしいし、‥‥‥この空気が落ち着く‥‥。
「あ、そういえば、あんたのご両親っていつ帰ってくるんやっけ?」
「8月の終わりっすよ」
「そっかぁ~。じゃあ、そのときはご挨拶に行かんとなー」
私はぼーっと天井を見つめながらそう呟いた。
洵のお父様は、有名な考古学者で、お母様はその助手。
二人とも今は海外に行っていて‥超多忙なお方なんだとおかんに聞いた。
だから、夏休み中も、洵は私の実家で預かることになっている。
‥‥‥洵のお父様とお母様‥‥
いったいどんな人なんだろう‥‥
「結衣ー、洵平クンに部屋案内してあげたらー?」
キッチンからおかんの声が響いた。
「行く?」
私は顔をもち上げて、洵に尋ねる。
「俺の部屋って、結衣さんと一緒なんすよね?」
「なんでよ;」
ニヤニヤしながらそう言ってきた洵に‥‥‥私は呆れながらそう言った。