クソガキ








「お茶いれてくるから二人とも座っといてねー」



おかんはそう言い残し、リビングを出て行った。







「ふぅーーー‥」



私は、ポスッと、倒れ込むようにしてソファーに座った。



‥‥‥やっぱり我が家だわ‥*


懐かしいし、‥‥‥この空気が落ち着く‥‥。







「あ、そういえば、あんたのご両親っていつ帰ってくるんやっけ?」



「8月の終わりっすよ」



「そっかぁ~。じゃあ、そのときはご挨拶に行かんとなー」



私はぼーっと天井を見つめながらそう呟いた。





洵のお父様は、有名な考古学者で、お母様はその助手。

二人とも今は海外に行っていて‥超多忙なお方なんだとおかんに聞いた。



だから、夏休み中も、洵は私の実家で預かることになっている。





‥‥‥洵のお父様とお母様‥‥


いったいどんな人なんだろう‥‥









「結衣ー、洵平クンに部屋案内してあげたらー?」



キッチンからおかんの声が響いた。





「行く?」


私は顔をもち上げて、洵に尋ねる。



「俺の部屋って、結衣さんと一緒なんすよね?」


「なんでよ;」



ニヤニヤしながらそう言ってきた洵に‥‥‥私は呆れながらそう言った。








< 121 / 134 >

この作品をシェア

pagetop