クソガキ
「結衣さんって、こんなんもってたんすねー」
洵はそう言いながら、私のベットの横にあったケアベアを持ち上げ‥‥‥
人形をぐにぐにつぶしながら、遊びだした。笑
‥洵が人形持ってると‥‥‥なんか可笑しくて思わず笑ってしまう。
ベットの横には、さすが女子高生ってかんじの、沢山のぬいぐるみ‥‥
好きだったなー
「うん。家を出る時にね、持っていけなくて‥‥諦めて置いてったんだよねー」
ちょっと寂しかったなー‥‥あの時は。
なんだか‥‥もう子供でいることは止めて、いますぐ大人になれ、って言われたような気持ちがして‥‥‥
私がそうやって感傷に浸っていると‥‥ニコニコと笑いながら、洵がこっちを向いた。
「じゃあ、戻る時、全部持っていきましょうよ!」
「‥‥え‥?」
「結衣さん一人じゃ大変でしょうけど、今は俺がいますし♪」
「‥‥‥洵平‥‥」
うわ‥‥‥
なんか、感動‥‥
ドクン‥
‥‥あれ‥?
私‥‥何、ドキドキしてるの‥?
‥‥なんだか照れくさくなってきて‥‥洵の顔がまともに見れなくなり‥‥
私は思わず顔を赤らめながらうつむいてしまった‥‥。
ちらりと顔を上げ、目を向けてみたら‥‥洵は気づかずに、ケアベアをいじっていた。