クソガキ
「‥‥そうだ!マッサージしてあげる!」
私は洵を元気づけるためにわざと明るく振る舞うことにした。
「‥はい!?;」
ガシッとつかんだ洵の肩が、ビクリと痙攣する。
「‥‥ゆ、結衣さん?;」
「いーからいーから~。結衣~を信じて~♪」
私はそう言うと、笑顔で洵の頭をもんでやる。
‥‥洵も徐々にかんねんしたのか、私に身をまかせてくれた。
ちっちゃい頭だなー。
「気持ちいいー?」
ブリーチして色が抜けた頭に、私はきいた。
よかった。今日はまだワックスつけてないみたいで。
「‥‥うーん‥‥ありがと。」
しばらくそうやって無言でマッサージした後、私はぽつりとつぶやいた。
「‥今日送るよ」
「‥‥‥‥え、」
親切で言ったつもりなのに、洵がビクッと反応して、目を見開いて私を振り返る。
‥‥‥;
「‥‥なによ。嫌なわけ?」
「‥‥い、いや、そうじゃなくて‥‥結衣さん‥‥いつも送るの嫌がるから‥」
「私が送ったら、車の中でも勉強できるでしょ?」
「‥‥結衣さん‥」
私の言葉に、感動したように、洵は目をうるうるさせ‥‥‥
ついには、鼻まですする始末‥‥;
えー‥‥
‥どんだけー;