クソガキ









午前中の講義がすべて終わると、私たちはいつものように食堂にたまった。




「あ、そうそう。洵クン勉強進んでるのー?」



食堂限定の特製ケチャップをオムライスにかけながら、ヒロクンがきいてきた。



‥‥このケチャップ、私も好きなんだよね。

有機トマト使用らしい。。


よし、タダだし、たっぷりかけてやろ。


そんなケチくさい私を、亜衣とヒロクンが哀れな目で見つめてくる;








ヒロクンは実際、洵に会ったことないんだけど、写メは見せたことがあって‥‥



『わたしが今まで見てきた高校生のうちで一番かっこいいーーー!』


と、絶叫し、それから洵のことがお気にいり‥‥;笑







「うーん‥‥頑張ってるんだけどね~。今日だって朝の5時まで勉強してたんだよ‥‥? テスト受ける前に倒れるんじゃないかって心配。」



「徹夜じゃないの!」




‥‥そうなんだよね。


あの子のことだから、授業中に寝てなきゃいいんだけど‥‥。







そんなことを考えながら
フライドポテトちびちびたべていたとき‥‥




「‥‥ねぇ、結衣ちゃん?」





‥‥急に背後のテーブルから、誰かによばれた気がした。







あれ‥‥?

今よばれたのって‥‥私?



‥‥でも、結衣って名前の子ならそこらへんにいるし。。






「結衣ちゃん?無視~?」


その声と一緒に、今度は軽く背中をどつかれてやっと、


私は自分がよばれていたんだと気付いた。




振り返ってみると‥‥







< 49 / 134 >

この作品をシェア

pagetop