クソガキ
私は‥‥
項たれながら、‥‥自分の握っている紙切れを見つめた‥‥。
……でも、
正直、もらって悪い気はしない。笑
これは新しい出会いのチャンスか!?
あ……彼女いるんだった;
「ヒロクンからの伝言よー。
効率が悪いから、夜型の勉強はやめたほうがいいんだって。だから、今日は早く寝なさいよ?」
「そんなこと言ってももう寝れないっすよー。今日は学校でたっぷり寝たんですから!」
‥‥なぜか自信満々にそう言う洵;
そこ、胸をはるところ‥‥?;
学校帰りに洵を迎えにきてみれば‥‥なんだか朝より元気な顔した洵。
一目で、私の予想が当たっていたんだと核心した‥‥。
「結衣さん、演繹法と帰納法ってどこが違うんすか?」
赤信号になったところで、教科書を開きながら、洵が私にきいてきた。
まぁ、熱心ですわねぇー‥‥
‥そりゃ、退学になったら困るもんね;笑
「‥‥‥うーん‥演繹法はねぇ、‥‥‥言ってみれば、‥‥ただの言葉あそび?
例えば、“あなたは赤いものがぜんぶ好き”だから、“あなたは林檎が好き”
‥‥言ってることは間違ってないけど、でも、本当に林檎が好きかなんて実際はわからないでしょ?」
私の説明に、洵はうんうんとうなずいてくれる。