クソガキ
洵は、私をまっすぐ見てくる。
「どこ痛い?」
私は首を傾げ、やんわりときいてみる。
「‥んー、ここ」
洵は、漠然とした範囲を指差す;
どれどれ。
洵の細い髪をかきわけながら、腫れているところはないかを捜してみた。
「ここ」
洵はパッと私を見上げて、おでこのすぐ上を指差した。
まー、可愛い仕草ですことー。
‥どっかのおばちゃんみたいな声が私の頭の中に響く;
どれどれ‥?
私は言われたところを見てみた。
「‥‥あー‥腫れてる」
おでこの上が赤く腫れていて、うっすら擦り切れていた。
‥‥しょうがないわねぇ。
「ちょっと待っててね」