クソガキ
「結衣さーぁん」
「んー?」
「何読んでるんですか」
洵は私に背中を向けたまま‥‥そして私は本に目を向けたまま、会話をする。
「ペーパーバック。」
「最近、ずっとそんな感じの読んでますよねー」
よく見てるなぁ…
「うん。これ洋書だから、英語覚えられるかなーって思って」
TOEICやろうかと思ってるし~
私がそう言うと‥‥
洵はクルッと振り返って立ち上がり、私の方に歩いてきた。
‥‥そして、そのままベットに上がり、‥‥私の本をのぞきこむ。
「‥‥うわぁ!英語ばっかりなんすねー」
「そうだよー」
間近で洵の横顔を見ながら、私はそうつぶやく。
「こんなん読めるとかめっちゃ英語できるんですね~」
「そうでもないよ。だって喋れないし」
「‥‥‥俺も読みたい」
洵はそう言って、私の顔を見た。
「‥そ、そう。じゃあ、次貸してあげる!」
私がそう言うと‥‥‥
洵はニコッと笑って頷いた‥‥。
そして‥‥
手を上げ‥‥‥
そっと、‥‥私の髪を撫でた。
‥‥その動作に‥‥私は思わずドキッとする
「‥‥‥洵‥?」
「俺‥‥変われてよかった。」
「え‥‥?」