クソガキ
「結衣さん、今どこらへんすかー?」
昼食をすませ、助手席でうとうとしながら洵がきいてくる。
車の外は、一日で1番暑い時間帯。
「もうちょっとで半分ぐらい。」
私は答える。
「もう少ししたら海が見れると思うよ。」
「海‥‥なんか久しぶりっすねー」
洵は、ニコニコしながら窓の外を見つめる。
さっき、くくっていた前髪をほどいたせいで、今も前髪がハネたままだった。
「中学の時って、遠足っていえば海じゃありませんでした?笑」
「ああ‥笑 そうだった、そうだった。」
学校が海に近いと、絶対そう!
全然遠出じゃないから、もう遠足じゃないよね;笑
「夏はまだいいんだけど、冬なのに海に飛び込むアホな男子が絶対いるのよねー;笑」
「あ!それ、俺です!!笑」
洵は笑いながらそう言って、はしゃいだ様子で手を上げる。
「あんたバカ?笑; なんで飛び込もうと思うの?;笑」
私は笑いながら、横目で洵を見る。
「いやーぁ。説明‥できないような感情ですね、あれは。なんでしょー、挑戦みたいな‥笑」
自分で言いながらも、洵は苦笑いしていた。