短編 星降る夜にまた逢いましょう
星になった彼
あれからどれくらい月日は流れたのだろう。

胸の傷が疼く度に彼を思い出す。

まだ、名前も知らなかったけどこれからたくさん呼びたかった名前。


もう彼はいないけど、私が彼の分まで生きるの。


私が今生きているのはきっと、彼のおかげだから。


私を切った人もその瞬間に事故のほうが気になったに違いない。

間接的だけど私はそのおかげで生きている。

私は彼に守られた命を大切にしたい。


私を切った男は憎い。


けれど復讐のために生きるなんてできない。


だって彼は多分そんなことを望まない。

たった一日しか一緒にいなかったけど、何故か今なら彼のことが何十年も一緒にいた友達のことのようにわかるんだよ。


今でも私を見守ってくれていることが手にとるようにわかるから私は強くなれる。

ありがとう。


それから報告です。


最近私は、求めていた色の星を見つけました。


多分あの星は彼です。


いつも空から見守ってくれる彼の顔がみえた気がします。




―おわり―
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