Princess Rigeru
「嫌っ!あんな所には戻らないわ!」
「安全な場所だ。今日みたいなこともないし、俺と違って有能な君主だ。君をきっと不幸にはしないよ。俺は、リゲルの幸せを祈ってるから。もう会うこともないけど、お元気で」
そう言ってジュンは私の前から消えて行ったわ。
アクアと結婚すれば幸せになれるなんて……。
それでも、リゲルは王室に戻った。そして、ジュンとの約束通りアクアと結婚した。
これで、私は幸せに、なれるのよね?
でも、それは違ってた。結婚式の当日、その悲劇は突然降ってきた。
「ありがとう。私の妻リゲル。君と結婚するおかげで僕は、幸せになれるのだ」
「……どういう意味?」
アクアはこの日が決まってからずっと、私のことを軽蔑しだした。
「君のおかげで私の地位は安定した。感謝するよ。しかしだ。君のような子供を傍においておくのは目障りなんだよ。消えてくれないか」
「っ!?……何を今さら?」
家来が私の腕をつかんで、どこかへ連れて行こうとする。
「君と結婚はするがね、名前だけだ。公に顔を出したことのない君の身代わりなどたやすい。僕の愛人リーナにその役はやってもらうことにするよ」
私はそのまま、地下牢に閉じ込められてしまった。