この恋が永遠になりますように
「な、名前…」
「杏だよな?」
「そ、そうだけど…」
あたしはひとりであたふためいていた。
そんなあたしを見かねてか、真琴が口を開く。
「杏はね、急に下の名前で呼ばれて焦ってるんだよ。」
そう言う真琴の顔は終始笑顔だった。
「そんなことか。」
「そんなことって…。」
あたしは誰にも聞こえない声で暗闇の中に呟いていた。
「行くぞ。」
そう言われてあたしは憐に手を引かれながら倉庫の中へ入った。